Zoom、Zoom、Zoom……損、損、そ〜ん

日記にも書いていたので、知っている方は知っているのです。知らない人は知らないのです。
クランクシャフトが折れちまったのです！
最終的に、某所よりガメて来たエンジンとの換装をマツダ（アンフィニ）に頼んだわけなのですが、まぁこれが上手く行かないこといかないコト。

○　2003ねん11がつ11にち(火)　── きゅいん！ ──

コトの始まり。 某郊外道路、−−平坦な、ショックも何もないような−−を国家権力に反逆して80km/h弱で走行中、エンジン周りからベルト系の「ずぅあ〜〜〜っ！」っていう異音が。 アワ食って路肩に寄せようとステアリングを回したら、ヤケに重い。 「ちっ、パワステベルト切れやがったな…！」とブツブツ言いながら路肩に停めると、なぜかエンジンまで止まっている。 「？？？」と思いながら再始動を試みると、独特の音が。

……きゅい〜〜んっ！ タイミングベルトか！

…前回交換から4万しか走ってないんだが。テンションをミスったな！ ということで、前々回の車検(約4万キロ前)に車検作業、同時にタイベル交換をしてもらったトヨタへ担ぎ込む。 ちなみにウチの車は毎年ここで車検。 で、「4万キロでタイベル切れたぞゴニャ!」という旨を伝えると、うーむ…そんなはずは…という様子。まあ、そりゃそうだろうな。

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○　2003ねん11がつ19にち(水)　──　え！ ──

トヨタから、診断結果のご連絡。タイミングベルトは切れていないと。んじゃ、なんでバルブが回らないかと云うと…。
クランクシャフトが折れている、と。タイミングベルトプーリーの根っ子のところで。

あー、そりゃバルブ回らんわ。パワステも死ぬはずだ。納得。
トヨタの皆さんにあらぬ懐疑心を持ってしまいました。ゴメンナサイ。

この時点で選択肢としては、

1. 中古エンジン(5万円くらいか？)を探して載せかえ…トヨタで着脱8万円でやってくれるとのこと。
   
   
2. クランクシャフト修理…トヨタではやらないので、エンジンをマツダへ移送しての修理。
   ただし、パーツ代を調べるとクランクシャフト11万、ヘッドもダメならヘッドASSY9万、バルブやらメタルやらでさらに10万くらい。
   あとはエンジン着脱工賃トヨタで8万、エンジン作業料マツダで10万くらい？　とすると、最悪計50万程度か？
   
   
3. 中古のブローニイを買って、素直に乗り換える。
   ただし、この時点で中古車情報誌とかを見ても、希望するもの・希望する価格帯の個体は発見できず。
   
   
4. 真人間になって○○○ー○とか○ｏ○○○とかの新車ワゴンでもローンで買って、支払いに泣きながら乗る。
   　　　　　　　　　　↑
   ４ドアセダンが出てこないあたりがよく考えると真人間じゃないな。

とすると、現実的なのは「１．」か…？

タイミングベルトプーリー裏側。 クランクシャフトが破断し、クランクシャフトに入ったネジが残っている。

中心部拡大図 チクワに向こうからネジを打ってあるイメージ。 そのチクワ部分がクランクシャフト。 ものの見事に破断してる。

○　2003ねん11がつ30にち(日)　── 恨んでやる ──

で、当然ながら選択肢は中古エンジン載せ替えに決定。
そこら中の解体屋さんを漁って歩くが、Ｒ２は出てこない。
例によって解体屋さんは、「マツダのアルミヘッドは壊れるから…」と判で押したような返事。

クランクシャフト修理したらどうなるかと思ってマツダのディーラにも訊きに言ったが、やっぱ、かなりの値段を言われる。
ハタと思いついて、「ディーラーなら下取車のスクラップ寸前のヤツを持ってるんじゃないか、あればそれのエンジンくれ！」 と思い相談して見るが、
だいたいディーラーのスタッフまでが、
「ブローニイは、エンジン壊れたから買い替え、っていうのが大部分なので、使えるエンジンはほとんどない」
などと抜かす。けっ。

ただ、中古エンジンが出てこないので、もうこれはエンジン修理をするしかないかも、と思ってやむなくクルマごとマツダへ移送する。
マツダでは、「ヘッドを開けて見ないと修理代は…」という返事。まあそりゃそうだろうな。
ちなみに、クランクシャフト交換はエンジン車載状態で、下からできるんだってさ。

さて、マツダに車を預けてきたものの、どーにも腹のムシが収まらない。ムシ退治に、マツダのwebにご質問送付をする。
1000文字限定って結構難しいな。

我ながら、回答の書きにくい文書だと思うよ(笑)。こんなのが送られてきたらアタシならヤだなぁ。
ちなみに、文中の「３号機」はこのサイトには一切顔出ししておりません。ヒミツのクルマですよ(笑)。

○　2003ねん12がつ1にち(月)　── 恒例 ──

マツダから、エンジン開腹結果の連絡が。
……バルブ折れ、ヘッドにダメージ、使用不可能。リビルトE/gは30万程度で入手可能、総額40万程度で走れる、とのこと。
流石に悩み、ちょっち保留。

しかしまぁ、よくよくヘッドの弱いエンジンだよなぁ。

お決まりの通り、In/Exバルブの間を渡るようにヘッドクラックが。 (左から)１、２、３番シリンダはアウト。４番は無傷。

この先、マツダをケナしつづけることになるんで、一つだけ誉めておいてあげましょう。
昨日の夕方に入庫させて、今日の午前中にはもうエンジン開けて結果が出たらしい。作業が早い。えらい。

……もしかして、ヒマなの？

この日から、代車を貸してくれたのだが、来た車は、聞いて驚け、
なんとFDセブン…なワケはないにしても、せめてボロのボンゴかボロのファミリアくらい出てくるかと思ったんだが、
なんとセレナ。そう、日産の、バネット・セレナ。車検証ケースには日産のセールスマンの名刺入り。
……おいこら、自社ブランドのプライドってのはないのか…。

○　2003ねん12がつ2にち(火)　── 始まりがあれば終りがあるように、出会いがあれば別れも、と言ったのは藤崎詩織。終りがあるから始まりもあるのです ──

なんとなく、夜、某書店で中古車情報誌を立ち読み。
すると、「6年式ボンゴブローニイ ＬＧ　5人乗り、10万キロ、車検新規取得渡し諸費込み15万円(消費税別)」と云うのを発見。

そう遠くないので、現車を見に行く。店が閉まってるから、屋外保管の車を外から眺めるだけだけども、そう程度は悪くない。っていうか、ウチのブロより外装なんかよほどマシ。
ただ、エアコンは無いし、どうみてもDXっぽいな。
最悪、これに乗り換えるって手もあるか…？

　

○　2003ねん12がつ3にち(水)　── 返信 ──

昨日の中古車屋で詳細を確認すると、
　・マジ10万キロっぽ
　・やっぱＤＸじゃんか
　・リアヒータもない
　・前に使ってたのは花屋(だからキレイなんだな)
　・車検要らないんなら、現状渡し10万円でも可。

であると。とすると、これに乗り換えるとすれば、

　・車検取得渡し15万円

　・8座のシートを載せて構造変更
　・エアコン移植の労力(やりたくねー)
　・リアヒーター移植の労力(この寒いのにやりたくねー)

　・顔面スワップ(以下同文)
　・ついこの前アライメントとったばっかりだし
　・各種電装やらなんやらかんやらは…ちょっと考えただけでも、

• サブ電源システム
• ＨＩＤ
• カーステ関係配電、リアスピーカー
• 車外用PA系
• インバータ
• 車載コンピュータ用16V系
• 同イーサネットHUB用厳密12Vライン
• 同外付け2.5インチHDD駆動、USB系用５Vライン
• カーナビ、テレビ
• 無線機
• 携帯電話関係引き回し
• フォグライト配電
• 室内照明関係(蛍光灯等)

…と、こうまでLEVがもてはやされてディーゼルが冷遇されるんなら、いっそLEVならぬ「HEV」(Highly Electrized Van(笑))を名乗ろうかと思ってるくらいメンドー。
(だいたい、もはや作った本人がどこにどのハーネス通したんだか記憶が…(^^;;;　)

等々を考えると、この時期にはちょっとやりたくない。夏ならばともかく。

ちなみにマツダでは、車両２台持込ならエンジンスワップ＋エンジン整備（タイベル・クラッチ等）で２０万、と。

というわけで、「このクルマ、買ってツブす」という涙の決断をする。
1０万円号を買って、壊れた号へエンジン、ミッションを移植。

まだ走れる車をツブすってのは心が痛むが、どれもこれもマツダがヘボなエンジンを作るからである。

そんなこんなをやっていると、夜、マツダからメールが！(転載禁止なので詳しくは書けませんぜ)

なになに…メールでは対応が難しいんで電話キボンヌ？　ほほう。

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○　2003ねん12がつ4にち(木) ── アナログ通信 ──

というわけで、仕事が終わると速攻でマツダに電話を。そういや最近アナログ端末なんか使ってねーなぁ。

さて、マツダに言わせると、

・ヘッドクラックは、過去のオーバーヒートが原因と考えられる。
・解体屋等での圧縮抜けは、ヘッドクラックではなくヘッドガスケットの劣化も考えられる為、実際開けて見ないとヘッドクラックとは断定できない。
・クランクシャフトの破断は過去に数例あり、いずれもベルト類のテンションの掛け過ぎが原因と考えられる。ディーラーへは整備注意事項として伝達されている。

のだそうです。

揚げ句、訊いてもいないのに向こうから
「支援等はできません」と抜かしやがる。だれが20万かそこらの修理代でタカるかボケ。けっ。


せめて、せめて、「大量生産の工業製品だから、保証期間内はともかく、その後の寿命についてはバラつきもあるから、そう云うこともある」位のコトは言って欲しかった。
そうすれば、アタシもここまで怒らないのだが。

よーし、これでハラは決まった。マツダで、エンジン移植だ。もちろん、カネも払うさ。ユーザとしてアタリマエのことじゃない？

そのかわり、ミスや不手際にテッテー的に指摘するので覚悟すれ。ちゃんと仕事するのはディーラーとしてアタリマエのことじゃない？

○　2003ねん12がつ7にち(日)　── 技術の限界 ──

マツダから連絡。
「メンバーのボルトが固着して緩められず、作業が進められない。もう少し待って欲しい。」とのこと。
冷やかし半分で作業経過を眺めに行ったら、固着したボルトを回そうとして、反対側の溶接を剥離させたらしい。

オマケに、いかに大変だったかを自慢したいのか、「ソケット３個も壊しちゃいましたよ」と語られる。
いや、そりゃ大変かも知れないがよ、けどね、アンタらプロのメカニックでしょうが。プロのメカが自社のクルマの整備できないのを自慢してどうする。
まして、何もコスモのレストアをしてくれとか、そんなメンドーなことを頼んでいるんじゃないぞ。そこら辺フツーに走ってるボンゴの整備ですぜ？

「作業が大変で失敗も山ほどした自慢」が自慢になるのはアマチュアメカニックまで。
プロなら内輪話で済ませるべき内容だろうが。情けないなぁ。

○　2003ねん12がつ13(土) ── 完了 ──

マツダから連絡。作業完了とのコト。

○　2003ねん12がつ14(日) ── 再会 ──

昨日中に引き取りに行けなかったんで、引き取りに行く。
作業料・パーツ代等で約18万円。
10万円号からのエンジン脱で5万、修理車のエンジン脱で5万、エンジン着で5万、クラッチ他で3万、ってとこかしら？

引き取りに行きついでに、10万円号から使えそうな程度の良い外装部品を根こそぎ剥ぎ取ってくる。
ドアやらバンパーやら。

作業を終えて帰ろうとしてなんとなく作業伝票を見たら、タイベル交換が一切入っていない。
ドナーが10万kmだから、降ろしついでにタイベル交換しろって言ったのに！

フロントへ事情を尋ねに行くと、伝票を見て、はっと気づいたように「いや、作業はやってはあるんですが…」と言葉を濁す。
なんだ、伝票に入れ忘れたのか、と一瞬チラっと思い、すぐに、
「オマケしてくれたんですか？」と訊ねる。まさか、入れ忘れたから追加で払えとは云うまい。
案の定、「えぇ…いいですよ」と。うーん、なんて交渉上手。



さーてさて、家に乗って帰る途中、どーーーーもブレーキの調子がおかしい。
フロント、しばらく走ってから踏むと、ブレーキが深いのである。そのままちょんちょんと２〜３回踏めばマトモなのだが、また100m位走ると深くなる。

作業時にブレーキのオイルラインは切ってないだろうから、キャリパー周りを組み間違えたか？

で、マツダに取って返してクレーム。メカが試乗して見て、「確かにおかしいですね」と。
再び預けて夕方に取りに行くと、

・修理車のパッドが残り少なかったので、10万円号の方のパッドを入れた。
・そのマッチングの問題らしい。アタリを出したら治った。

とのこと。パッドのマッチングの問題でブレーキの踏み代が深くなる、しかも、ポンピングで元に戻るなんてコト、起こるかぁ？

　

○　2003ねん12がつ21にち(日) ── 斜め2ミリ ──

で、引き取ってからこれで１週間。この間にダメ出しが出るわ出るわ。
症状は次の通り。

・	アイドリング高すぎ。1500RPMくらいで回ってる。しかも、アクセル戻したときの回転の落ちが異常に遅い。
・	マフラー、フロントタイコ(メッシュのヤツ)の直後の溶接部分、クラック入って排気漏れてるじゃんか。程度の良いほう使ってくれって言ったのに…。
・	左に走ってくぞ。そうだねぇ、200mで1車線分、ってトコか。コーナリング特性からも考えるに、左前のキャンバーがポジティブになり過ぎてるんじゃないか？

これでもってまた入庫。
アイドリングについては、リンケージ調整で直したんだそうだ。マフラーについては程度の良いほうのと交換。

さて問題なのは左に走っていく件。マツダが云うには、これはサイドスリップを測定したところ、問題はないと。
ちなみに、今回の整備ではメンバーごと降ろしてるんだそうで、サスアーム周りには手をつけていないと。

ではメンバー着脱でズレが出ることはないのかしらと思って訊いたら、メンバーの取り付け部には調整機構は付いていないので、ズレは起きないと。
但し彼らが云うには、機械だから、確かに取り付け部分のガタなどの誤差が出ることはあるが、数ミリ以内だ、と。

へ…？
ちょいとお兄さん、ホイルアライメントの話をしてるんだよね、我々は。
アライメントで数ミリずれてたら、どうなると思う？　まったくもってハナシにならん、ってレベルじゃないの？


マツダの皆さん、あなた方は、セブンやロードスターが入ってきてもその程度の整備しかできないんでしょうか？
それとも、ブローニイだからこんなもんでいいだろう、って思ってる？　ナメんなよ。


もうハナシにならんと思って引き取って帰る途中、助手席にラチェットレンチが置いてあるのを発見。
あら、どっか車内に置き忘れてたのが整備中に発見されたか。ちゃんと助手席に置いといてくれるなんて意外に親切なところあるやんか、とちょっと反省。


が、家に帰ってそのレンチをよく見たら、KTCの1/2インチ角のレンチである。……ウチの1/2はKTCじゃないぞ！
ったくもう、クルマの中に工具置き忘れたな！　重ね重ね、それでもプロかよ！


あーもう、近日中に届けてやるか、と思ってちょっと用事があって出かけていたら、「工具置き忘れた」とマツダから電話が。なんだかなー。

○　2003ねん12がつ27にち(土) ── あーもう！ ──

さて、ウチのブロは助手席下バッテリがいわゆる「サブ電源化」してあるなど、ちょいとイタズラが仕組んであるので、これをもとにもどす。
さすがに、改造個所まで「なってたとおりにすれ！」ってーのは酷というものだ。それじゃ元に戻すか、とエンジンフードを開けてみると。

アクセルリンケージの終端に、ゴムの蛇腹がかかってますわな。防水防塵用かな。
あれは、ちゃんと終端の金具に引っかかるまで伸ばしておかないとイミがないんだが、これが縮まったまんまである。リンケージ終端がムキだしのまま。

先週、アクセルリンケージの調整やったときに戻し忘れやがったな…。どいつもこいつも。

と、まあマトモに走り出すまでに１ヶ月以上かかったのです。
で、話が前後しますが交換した10万kmエンジンですが、

・結構静か。

22万キロだった元のエンジンや、手近なところにある17万kmエンジンと比べたら、静かなのです。
多分、メタルやらなんやらの磨耗度の違いなんでしょうね。
で、乗ってみて思い出したんだけれども、どうせエンジン下ろすんならエンジンマウントも交換しておけばよかったかなーと。次回車検時(4月)ですね。この寒いのに自分でやりたくない。

・非力。

多分、燃調の問題とは思いますが。非力です。近いうちに燃料ポンプの再セッティングが必要でしょう。
これはまあ、調整で爆煙仕様から超リーンバーン仕様までなんとでもなりますから良いんですが。

…再調整してもトラブル抱えてて非力だったらヤだな。

・燃費は変わらず。

…ま、アタリマエか。

といった感じですな。

…で。

結局、とりあえず走るようにはなったけれども、技術レベルとかに関してはカナリ不満ですね。
簡潔に言うと、「どうしてもマツダディーラーでないとできない整備」以外は今後、このディーラーに任せたいとは思いません。

というわけで皆さん、ブロを買うんならR2、RFモデルはやめてWLモデルにしたほうが良いですよ。
っていうか、WLモデル欲しい。

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