サンテカ製HIDキットを付ける…のはヤメよーっと。


【ずいぶん安いんだねぇ】

昨今、「サンテカ」ことサンヨーテクニカからなんだかエラく安いHIDキットが発売されとります。
H4のハイ/ロー切り替え可能なバルブと、駆動用の高圧発生ユニット、これがセットで、ホームセンターからカー用品店から、何処へ行っても実売29,800円。特売というわけではない。常にこの値段。
自慢ですが、管理人のBELLOFはお正月特価限定1セットのみで59,800円。ちなみにこちらの定価は118,000円。
まさに「ケタが違うぜ」ってなもんなのです。


でも、正直惹かれますね。3万円HID。ホームセンターなんかで見かけると、ついつい引き寄せられてじっと見入ってしまいます。
で、見てるうちに、必ず1台くらいは誰かが買っていきますな。
半分ズボンからケツ出した兄ちゃんたちが、携帯電話で「おい、3万でHIDが売ってるぞ、マジ見に来いって」みたいな会話をしながら買っていきます。
彼らの車はといえば、大体、型落ちシーマ、同セドリック、同クラウン、などなど…。まあ何に乗ろうと勝手だが。

が、風のうわさに聞くに、「暗い」に始まり、「左右で色が違った」だの、「壊れた」だの、「点灯しなかった」だの、まあ、悪いウワサにも事欠きませんな。

一度どんな光なのか見てみたい、見てみたい、購入意思決定はそれから、と思っていた所、丁度うまい具合にブローニイ・バンにこのサンテカHIDを組み込むというお話が舞い込んできました。
「手伝う」と称して内心「よーし、カマセ犬ハケーソ」とか思って作業しに行ってみました。

 


【…海苔の箱??】

まずパッケージから。
煌煌たる「HID」の箔押しもまぶしい装丁。

上がバルブキットの箱、下の大きいほうがドライブユニットこと高圧回路系の箱。
「ハロゲンより2倍明るい21W HID 6,000ケルビン(ハロゲン高効率バルブ7,500Kとの比較)」
との書き込みが郷愁を誘います。6000ケルビンのHIDが、7500ケルビンハロゲンと明るさで競うなよ…。

ところでこの中途半端な薄紫・黒・金のパッケージって、葬式に行くともらえる香典返しの海苔の箱のような…。


左:高圧系。(インバータ+イグナイタ)×2セット。
 今時はインバータとイグナイタが同一ボディに収まってるのが主流ですね。
 (ソレに関しちゃ管理人のベロフも他人様のコトは言えんが…)

右:バルブセット×2、及びH4コントロール系




【それじゃまぁ、着けてみましょう】

サクっと付けてみます。前回のベロフ同様、やはり配線が短いために、配置自由度が低いというのが難関でしょうかね。


まず右目。各ユニットの配置はこんなカンジ。

(1)…Hi/Loコントローラ
(2)…リレー
(3)…1次昇圧系
(4)…2次昇圧系 となっています。


Hi/Loコントローラがビミョーな位置ですな。
今回も前回のベロフ同様、配線延長は一切していません。


こちらは左目。

Hi/Loコントローラの配置が右目とは若干違いますが、これは左眼にはエアインテークが存在するため。
まあ、着くんならどこでも良いんでは…?

なお、今回の作業に当たり、この車両のオーナー氏より「防水をキッチリやってくれ」との希望が寄せられたため、各コネクタ類はすべてハーネステープで過剰なまでの防水処理をしています。

ちなみになんでそんな希望が寄せられるかというと、このオーナー氏は、
前回アタシが自分のクルマにBELLOFを着けた時の手抜き作業を知っているから心配になって…って。

※ちなみにハーネステープとは…
電気絶縁に使われるビニールテープの親戚みたいなヤツ。
一般のビニールテープは時間がたつと糊がネバネバして大変なことになるが、
ハーネステープは比較的弱粘着のためそういうトラブルが無い。
引っ張ればある程度は伸びてくれるので、熱収縮チューブよりも防水性はある…と思う。


…とまあ、こんな感じです。いちいち比べて悪いが、ベロフと違い、H4(ハイ/ロー)コントローラが左右別々に付いているので、その点では設置は楽。

ところで、あまり関係ないって言やぁそれまでなんだケド、
各ユニットの固定は今回ネジ止めではなく両面テープ止めです。

「おいおい大丈夫かよ」と心配する方もいるかもしれませんが、
それなりの品質のテープを使えば問題ありません。

左の写真は管理人愛用の両面テープ。
円滑金属表面や硬質プラスチックの場合、1cm2あたりの剪断耐荷重が8kgとかってバケモノ。
そこらの100円ショップ物は当然として、カーショップ物なんかとは格が違うのである。

ちなみに、剥がすときも結構キレイにはがれる。
テープ自体が丈夫なので、それこそ100円ショップ物の厚手両面テープのように、
スポンジ部分から「テープが崩壊する」ってコトが無いのだ。よって剥がしやすい。


本題に戻る。とはいえ、あとは電源を引くだけです。オルタかセルの辺りから直接引っ張ってくるのが楽でしょう。


【ウワサどおり、トラブル発生です。】

というワケで点灯させます。第一印象は「白いんだけど…暗い?」です。

「でもまぁ、こんなもんかねぇ。陽が落ちてみないと判らんねぇ」なんてやってるウチに、なんと片目のハイロー切り替えができなくなります。
そうこうしているウチに、こんどは不点灯やまばたきを始める始末です。

慌てて、販売店(イエローハット 札幌里塚店)に駆け込みます。

担当のお兄さんいわく、
「サンテカのHIDはまず100%クレームで戻ってくるんですよねぇ…。
出来ればウチでも扱いたかぁないんですが、色々とありましてねぇ…。」とのこと。
まるで、「わかったわかった、交換してやるよ。安物買ったんだからその位でグダグダ言うなよ」という雰囲気である。
そんなにアフター対応が嫌なら売らなきゃ良いのにねぇ。

切り替え不良については新品交換。
不点灯やまばたきについては、なんと「ボディアースからマイナスを取ると動作不良になる」と即答が。
確かに、バッテリからマイナスを引っ張ってくるとちゃんと点灯する。

管理人のベロフはボディアースでも全然問題ないんだが…?
余程ギリギリの設計がされてるのか…?

というわけで、やっぱトラブルは起こったんですなぁ。


【それじゃまぁ、灯けてみましょう】



というワケで新品交換されたワケですが、やっぱり「白いんだけど…暗い?」という気がするのです。
まあ、人間の感覚なんて当てにならないので、実際に写真を撮って見ます。


某所での点灯試験です。ロー側です。
Canon Powershot A40で撮影しています。あんまり関係ないが。

ISO400相当、シャッタースピード1/15秒、露光補正EV0.0、レンズ絞りF2.8です。
コッチが関係してきますな。
なお最終的に某写真レタッチソフトで、明るさを25%明るくしてあります。

雨天の為、路面(砂利)が濡れているので、光ってるのがちょっと判りにくいかも。
まあ、カメラで撮影してももうまく写らんのかもな…。


そんなことを言っても比較対象がないと判らんので、
今度は管理人のベロフも点灯させます。

…あれれ?  ちゃんと写るじゃん。

一応断っときますが、カメラや画像加工のデータはすべて同じに揃えてますよ。



次は別の日に撮ったデータです。路面はドライです。
生活道路を2車線占拠しての撮影です(^^;。

左車線にサンテカ、右車線に管理人のブロ(ベロフ)を停めています。

まず、左のサンテカのみを点灯し、右の管理人ブロの運転席から撮影します。

左車線に光が落ちているのが確認できます。
写真だとちょっと極端に緑っぽいですね。

Canon Powershot A20、露出補正EV0.0、シャッター速度1.0秒、レンズ絞りF2.9です。
画像加工はナシです。


で、右車線のベロフを点灯します…。
(厳密にはサンテカと同時に点灯しています。左側の若干緑っぽい方がサンテカですね。)

…おいおい…。

くどいようですが、カメラのセッティングは同じです。
カーナビの画面が写ってますので、その(写真上での)明るさを見ると判ると思います。

いやはや、こりゃカナリ暗いですな。


【まとめ。】

暗いです。以上。



…というワケにもいかないか。

確かに白いことは白いです。その意味では間違いなくHIDの利点があります。
ただし、光量にだけ着目すれば、いわゆるハイワットバルブとか、気の利いた高効率バルブとかの方が明るい気はしますね。

実は管理人はこの段階で趣味の乗用車(丸目4灯)の4灯全部にこのHIDを入れようかと画策していたのです。安いからね。
でも、実際にこのブロに組んだのを見て、ヤメました。暗いんだもん。

…安いとは言え3万円です。それだけ掛けるんなら、ちゃんとリレー組んで、ハイワットバルブなり高効率なりを組んだ方がいいと思いますよ。


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