実はこのページ、公開こそ2009年ですが、2007年にはある程度の所までは作成しておりました。
諸般の事情があって、公開には踏み切っていなかったのですが、2009年に入り、訪問者様から「公開してほしい」というお声を頂き、公開することと致しました。
ですので、日付…というか時期に関する表記がズレています。「今」というのは2007年のこと…と理解して、お読み下さい。
では。
【2年ほど遡ると】
2005年のゴールデンウィーク、「ボンゴブローニィワゴン」のデジパネを、某解体屋から入手していたのです。
ただしその段階では、管理人の手持ちの電装関係の資料はバン用の物しかなく、デジパネどころかワゴンの電装資料さえ圧倒的に不足する有り様。
よって、「マイコンに灯すら入らない」という実にマヌケな状況だったのです。
で、「まあ、いつか何とかなるか」と思いつつ、例によってそのまま放置。2年が過ぎ去っていたのでした…。
…誰だ、「いつものパターンだな」とか言うヤツは。
←ハンパにバラされたまま部屋の隅に2年間放置…。
しかし、我ながらよくコレでパーツが無くなったりしなかったものである。
もちろん、「じゃあやるか!」と思い立ったときにはすべてのパーツが揃っていた。
オタクの空間管理能力をナメてはいけない。
時間は流れ、各種資料も調ってきました。ただし、相変わらずワゴンの電装図なんてのは、あえてデジパネを動かすためだけに高価いお金を払って仕入れる気もなく、件のデジパネもまったく触れずじまいだったのですが…。
なんと、ひょんな事から「整備要領書」の中に、デジパネのピンアサインが掲載されているのを発見。バンに移植するためには圧倒的に不足な資料ですが、それでも無いよりはずっとマシ。「これは…行けるか?」位には思いつつありました。とはいえ、なんとなく忙しく、これまた記憶の隅に追いやられていたのです。
時に西暦2007年7月。管理人の周りには「ものすごく頑張っている人」が現れはじめまして、実は管理人ははっきり言って自分の無力感を感じていたというか、「自分に出来ることは何か?」という感覚、もっとエラそうに言えば「自分の存在意義」ってのを常々考えざるを得ない状況だったのです。そんな折、ふとカレンダーは3連休に。何をしようかなぁ、でも自分なんかどうせ何をしたってなぁ…とか、相当ネガティブになっていた思考の中、なぜか不思議と頭をよぎったのは、忘れかけていたデジパネ。
ああ、これは自分にしか出来ないこと(とまでは言わないが、少なくとも世界でこんな事にチャレンジしようなんて言う人間は相当な少数派だろう)だなぁ、なんて思い始めまして、「この3連休でなんとしても動かしてやろう」と決心をしたわけです。
というわけで、移植に際して何が不足なのか、何がヤバそうなのかを検討します。
…というか、最初に断っておきますが、本ページは「こうやって、こうやったら移植できます」ってのを紹介するページなつもりはありません。もし、同様な事にチャレンジする人がいらしたら、是非その「うまく行かねーっ!」って過程を楽しんでいただきたいと思います。管理人はカマセ犬として、一足先に旅立ちますので、後を追う方は下記にとらわれることなく、もっとベターな方法を目指して、追い越していって欲しいと思います。だから、下記は管理人の試行錯誤の過程の紹介であり、ほとんどの人には何の役にも立たない情報であり、役に立たせたい人にとってはちょっとは役に立つ参考資料、くらいにはなるかもしれません。[2009年追記〜実際のハナシ、単にディーゼルにタコを後付けするなら、市販の汎用品だけで何とかなるそうです。後付けメーター各社から、レベルの整合機とか、分周を設定する機材というのがフツーに販売されている、という情報をBBSでいただいております。]
で、本題の懸案事項(または、逆に問題にならないと確信できる事柄)です。
・スピードメーター
→この時代はまだまだワイヤー入力。こんなの世界共通。1マイルで1000回転だっけ? デジタル化はパネル内でやってるんだから全く問題なかろう。
・電源関係
→パネルに入る電源・ワーニングランプコネクタの物理的形状はバンと同じようだが、素直に刺しただけではゼロ表示すらしない。
というコトは、電源ラインからして違うのか?
・各種ワーニングランプ
→ブレーキとか油圧とか発電とかの警告灯。
警告灯とはいえ、コンピュータからの信号をもらってパネル内で処理するワケではない。
どうせ単純に外のセンサーなりスイッチなりで断続してるんだから、多少の配線変更で何とかなるはず。
球切れ警告とか、そもそもバンに無いものはあえて稼働させる必要もないってコトで。
逆にグローとか、デジパネの方にそもそも無いようなランプは最悪外部に増設するさ。
・タコメーターパルス
→実験車はディーゼル、デジパネはガソリン。
信号レベル、周期(パルス幅)あたりがどの程度違うのかは全く未知数。
(でも、同じマツダ車なんだし、そんなに違うこともあるまい、と思っていたが…これが大甘だった。)
幸いなことに、デジパネのピンアサインは整備書に載っておりました。バンモデルなら、ガソリンもディーゼルトラックの電装図も持ってますので、まぁ、何とかなるわけです。(ただし、ワゴン用の高級インジケータ関係が欠けているわけですが…)
それらを付き合わせて、最終的な仕様とします。
なお、変更が必要な場合は、メーター側の変更で対応する方向で。
(つまり、車輌側の加工は極力しない、ってコトで。車輌側を加工するにしても、ノーマルのバン用メーターにそのまま戻せる状態は最低限固持すると。)
で、下記にデジパネ、アナログガソリン、ディーゼル3者(3車?)のピンアサインを列記して付き合わせてみます。
ブロは、メータASSYに丸形コネクタが2個入っています。これは、ガソリンバンも、ディーゼルバンも、デジパネも「丸形2個」という物理的規格自体は同じです。
上側の表が運転席に座って向かって左側、下側の表が右側のコネクタです。デジパネは整備書にはっきりピンアサインとして載っていますが、アナログガソリンとディーゼルは、配線図や現車から管理人が拾った物ですので、まあ、そのぐらいの正確度ってコトで。ただし、整備書引き写しにせよ、一部の表記(表現)は省略してますよ。だって長いんだもの。
運転席に座って左手側のコネクタ デジパネ(整備書による) ガソリン車 ディーゼル車 管理人見解 a-1 ハイビーム(ライトSW) 1A ハイビーム 1A ハイビーム そのままでOK a-2 ターンシグナルライトL 1B Lターン 1B Lターン そのままでOK a-3 アース 1C × 1C × メーター側でa-5とショート a-4 × 1D GND 1D GND メーター側でパターンカット a-5 アース 1E GND 1E GND そのままでOK a-6 駐車ブレーキSW 1F 駐車ブレーキ 1F 駐車ブレーキ そのままでOK a-7 × 1G × 1G × そのままでOK a-8 × 1H × 1H ATはなんか来るっぽい そのままでOK a-9 オイルプレッシャSW 1I 油圧 1I 油圧 多分そのままでOK a-10 サーモテンペレチャゲージユニット 1J 水温 1J 水温 多分そのままでOK a-11 リヤデフォッガSW 1K 熱線 1K 熱線 そのままでOK a-12 ターンシグナルライトR 1L Rターン 1L Rターン そのままでOK
運転席に座って右手側のコネクタ デジパネ(整備書による) ガソリン車 ディーゼル車 管理人見解 b-1 燃料タンクゲージユニット 2A 燃料計 2A 燃料計 多分そのままでOK b-2 タコメータ(点火一時信号) 2B ? 2B × どうにもならんので次節で別途協議 b-3 イルミネーションライト+ 2C イルミ 2C イルミ 多分そのままでOK b-4 イルミネーションライト− 2D +B 2D +B パターンカットの上、a-5とショート b-5 テールライトチェッカ 2E × 2E セジメンタ パターンカット b-6 クーラントレベルセンサユニット 2F × 2F × 放置 b-7 オルタネータ 2G オルタ 2G オルタ そのままでOK b-8 イグニッション電源+ 2H イグニッション 2H イグニッション そのままでOK b-9 キャタリストサーモセンサ+ 2I × 2I × 放置 b-10 キャタリストサーモセンサ− 2J エミッション(2.0L車のみ) 2J グロー パターンカット。グローランプは別途増設。 b-11 × 2K 4WD(4WD車のみ) 2K 4WD(4WDのみ) 放置。4WDランプは別途増設。 b-12 ストップライトチェッカ 2L × 2L × 放置。 なお、この他にデジパネには急遽増設されたような感じの角形4ピンコネクタもあります。関係ありそうなところで、「アース」と「ヒューズボックス」があるそうですので、それぞれ、a-5、b-8とショートさせておきます。これを忘れるとマイコンに灯が入りません。
ここまで加工するとこんな感じ。「デジパネ改造試作1号機」が出来上がりました。パターンカットとジャンパーが何カ所か施工されています。
ここまでの状態で試してみると、幸いなことに一発で電源が入りました。デジタル燃料計、デジタル水温計もとりあえずソレっぽい値を指して動いているようです。ワーニングランプ類もちゃんと点灯しています。スピードメーターもちゃんと動いています。ここまではこれで良しとします。
さて、電源が入りましたので、いよいよ懸案事項であるタコメーターです。
管理人のディーゼルバンは、幸いなことに燃料ポンプから回転数信号が出力されています。(年式や寒冷地仕様の有無によっては、そもそも回転数信号が出てないバンもあるようです)
おそらく、ポンプ内にピックアップコイルがあり、その出力がそのまま垂れ流されているのだろうと推測されます。だってポンプに電気は行ってませんから、なんらかの補正が掛けてある可能性はほぼ皆無と。
で、この回転数信号、すくなくとも、「ボンゴのワゴンのディーゼル」のアナログタコメーターに突っ込んだところ、そいつが(多分正しい回転数を指して)動く、という所までは以前に確認できております。
んで、デジパネのタコ信号は、「点火一次信号」と整備書のピンアサインに書いてあります。おそらく、イグニッションコイルの1次側を指しているのではないかと。じゃあ問題点は何かってーと、一言で言えば、「デジパネにディーゼルのタコ信号突っ込んで、ホントに動くのか?」というコトに集約されます。もちょっと長く書くと、
・パルスのレベルはどうなってるんだ? イグニッションコイル1次側は12Vだろうが、ポンプのコイルから12Vが出てるとは思えんぞ。
・パルスの周期はどうなってるんだ? 4気筒ガソリンのイグニッションコイルと、燃料ポンプの出力数って同じなのか?
・パルスの形状はどうなってるんだ? 完全に断続されてるイグニッションコイルと、(おそらく)サイン波であろうポンプ出力の違いってどうよ? またデューティー比はそれぞれどうなってるんだ?
とまあ、この辺が予期される問題なわけです。
で、まあ、いろいろやってみた試行錯誤の記録が以下ということで。
こんなものは「とりあえず喰わせてみろ」という方向性になるのはハッキリしておりまして、とりあえず、ディーゼルのパルスをそのまんまデジパネに喰わせてみます。
…まったくもって何も起こりません(笑)。
パルス数が足りないのか、レベルが違うのか、デューティが違うのか、そもそも中古解体車のデジパネが壊れてるのか、まあ、皆目見当も付きません。
そこで、オシロスコープを持ち出してきて、ポンプから出力されている波形を見てみますと、 まあ、お世辞にもキレイとは言えませんが、かろうじてサイン波と言えなくもないような物が出ていることは確かです。(管理人手持ちのオシロは旧式なアナログゆえ、波形をキャプチャしてwebに載せるなんてことはできません…。すまぬ。)
エンジン回転数と連動して、周波数も変わっています。当然ながら、比例してパルス幅(サイン波だが…)も大きくなっていきます。
が、とりあえず問題になりそうな所として、レベルが大体2〜3Vしか無ぇぞコラ! ということが発覚しました。
単純なピックアップコイルとしては相当頑張っている数字ですが、その一方で、デジパネ内部は見たとこ、フツーのロジックICで動いているようです。とすれば、どう考えても3Vの入力では不足なはず。ロジックが入力として受け付けるなら、5Vが必要でしょう。これじゃぁ動くワケがない。
しかし、何という手抜きな実装…←というわけで、上の「失敗(1)」すなわち、「レベルが足りないっぽい」という可能性を考慮し、「とりあえずバッファアンプを1段だけ入れてみっか?」という結論に。 こんなものを作ります。
まあ、無理矢理カッコ良く書けば、「1石低周波増幅回路」ってヤツですな。
とりあえず0.6V以上はコイルから出てきてるワケで、フツーにアンプ組めるだろう、と。
もうちょっとカッコ良く書くとこう
↓
○材料:
・そこら辺に転がってた2SC1685…1個
(NPNなら何でもいいんじゃない?)
・そこら辺に転がってた10K抵抗…1個
(分圧できるなら値はテキトーでいいんじゃない?)
・そこら辺に転がってた配線材料…少々
○つくり方:
・テキトーにハンダでくっつける。
○動作理論
右の「From Pickup」にはコイルからの信号、「ACC +12V」には+12Vをかけておきます。
すると、Pulse Outから12Vの波形に増幅されて出力されている…はず。
これを組み込んだ(っていうか空中配線でブラ下がっているだけ(^^; )状態の、「デジパネ改造試作2号機」を組み込み、期待と不安が入り交じった状態でエンジンを始動すると…。
… タ コ 、振 り 切 れ ま し た (笑)。
つまり、実験の結果分かったことは、以下。
(1) パルス幅、パルス形状は(多分)問題ない。12Vパルスで(も)良い。
(2) ディーゼルのアイドリングは今までの経験上約800rpm。7000rpmスケールのタコが振り切れるってコトは、少なくとも10倍のパルスが出ているのは確実。
…(1)についてはともかく、(2)についてはまあ、平たく言えば、「このままではまるっきり役に立たん」ということですな。
さらなる改善策が必要です。
さて、パルスの数が違うようなので、パルスの数を減らす方法(いわゆる分周)を考えなくてはなりません。
分周回路はロジックICで組み立てることになるでしょうが、そうすると出力は5Vとなります。
そこが微妙に問題となる気がしないでもないんですが、まあ、どうせデジパネ内部が5VのICで動いてるんだから、まあ、多分動くだろう、ってコトにしておきます。また、元がサイン波だったものを矩形波に整形してしまうわけですが、それも問題なかろう、と思っておきます。で、矩形のデューティは50%でいいんじゃないかな、と。
が、そんなことを心配する前に、そもそも一体これを何分周にするか、ソレを考えなきゃなりません。とは言ったものの、実動800rpmで7000rpmを振り切っていることから少なくとも10分周が必要であろうことは分かっていますが、それ以上の分周については分かりません。そやって考えると、
(1) 800rpmのアイドリングで7000rpm振り切るってコトは、10分周か?
(2) いやいや、元が4気筒エンジンなんだから、10分周ってコトはあるまい。4の倍数だろうよ。12分周では?
(3) ヘタすりゃ1ケタ違うのかもな…。100分周とか?
なーんて辺りが想定できます。(3)は考えても仕方がないので保留するとして、(1)の10分周、(2)の12分周を考慮します。
…考慮しますったって、こんなのそろそろ管理人の手に負える物ではなくなってくるので、分周回路の設計を「外部の有識者」と相談します(笑)。
で、試作1号が完成。
この協力者様より、回路はパブリックドメインとして公開して良いとの許可を頂いておりますので、とりあえず管理人が引きなおした回路図を公開しときます。
(とはいえ、ゴチャゴチャとメイク&トライで作ったものから現物に沿って回路図を引いたので、間違いがあったりするかも…?)
○材料:
・さっきのバッファアンプ…1個
・そこら辺に転がってた7474…1個
・そこら辺に転がってた4017…1個
・そこら辺に転がってた7805…1個
・そこら辺に転がってた電解コンデンサ…1個
・そこら辺に転がってたフィルムコンデンサ…1個
・そこら辺に転がってたユニバーサル基盤の隅っこ…1枚
・そこら辺に転がってたラッピングワイヤ…少々○つくり方:
・テキトーにボードに並べて、ハンダでくっつける。
・コンデンサは平滑用兼ノイズキラーなので、なるべくIC側に近く。
・実はスイッチはそこら辺に転がってなかったので、線をヨジっておわり。
○動作理論(一次増幅部):
・1685のコレクタに、コイルからの信号を入力します。(エミッタには7805の出力+5Vがかかるように、当初とは変更されています)
・結果、「Pulse Out(1)」に、ピックアップとは反転した5Vの出力が出てくる
…という仕掛けです。まあ、つまり、さっきと変わらん。
○動作理論(分周部):
まあ、下図をご覧下さいな。
(図は10分周仕様のもの)さて、入力信号はバッファアンプを通り、わりと矩形波を目指した(つもりの)形状で出力されます。(実際はこんなにキレイじゃないですよ)それを4017への入力とします。
4017は、起動後1パルス目だけはハイを出力し、以降はローを出力し続けます。で、なんらかの手段でリセット信号が入った場合は、再び起動時と同様に1クロック分だけハイになり、以降はローを出力し続けます。
で、ここから大事なんですが、4017は起動同時に、ひたすらこの入力パルスを数える動作をします。で、5パルス目が来たときに「5番目キタ――(・∀・)――ッ!」っていう信号を出力することが出来ます。で、この「5パルス目!」っていう信号を、自分自身のリセット信号入力である15ピンに入れてやります。
すると、5パルスごとに1パルス分、ハイが出力される、っていう「1段目出力」ができあがります。
(これだけでも「5分周」はできているんですが、デューティ比が怪しいんですね。デジパネ側で、このデューティ1:4の波を、正しいパルスとして認識してくれるのか。これが不明ですので、とりあえず「ダメだろう」と仮定して、デューティを50%に変更します。それが次段です。)
で、この「1段目出力」を7474に入力します。こちらは動きが単純で、「パルスが入るたび、出力(5ピン)のローとハイを反転させる」という動作だけをします。これが2段目出力となり、分周回路としての最終的な出力(「回路図のPulse out(2)」)でもあります。
なお、4017は1ピンが5パルス出力、5ピンが6パルス出力ですので、これのどちらを15ピンに入力するかで、10分周仕様と12分周仕様を切り替えることが出来ます。本来はスイッチですが、実は上記「つくり方」の所に書いた如く。
ですので、ここは特に「ボンゴスペシャル」なわけでもなく、単にパルスを分周しているだけです。ということは、この「分周部」だけをオブジェクト嗜好、じゃなかった、思考、でもなかった、オブジェクト指向的に捉えれば、これはディーゼルの高速パルスでガソリンタコを動かす際の「アッセンブリパーツ」として使えるかもしれません。
で、今度はこいつを組み込んで動作検証をするわけですが…。
これは結論からいきます。動きました。なお正解は12分周ではないか…って気がするんですが、正直、正確なトコロはわかりませんな。
なぜって、そもそもエンジンの正確な回転数を測定する手段を持たないからです。いままで付いてたのだって、ボンゴワゴン用のが付いてたワケですから、それとて回転数表示は正解だったのかどうか。
少なくとも、体感上の回転数に比例したデジタル表示にはなってると思われますが、あとは、ミッション、ファイナル、タイヤサイズ等から計算して、「時速○kmの時に△rpm」っていう計算でもしないとダメでしょうな。
(っていうか、そもそもタコメーターなんてのは正確に「xxx rpm」なんてのを知りたいわけではなく、シフトダウンの際なんかに「この辺!」っていう目安になればよいのでは(^^;;;;;; )
あとは細かいワーニングランプ周りです。デジパネはブローニィワゴン(ガソリン2駆)用の物ですので、「グローランプ」と「4WDインジケータ」がありません。仕方がないので、これは外付けで付けることにします。マイナス断続ですので気をつけましょう。
逆に、デジパネには「テールランプ切れ警告」「ブレーキランプ切れ警告」やら、その辺の高級装備が沢山付いてますが、まあそんなのは無視。球だけ抜いておけばよろしい。(ちなみに球は抜かなくても点灯することはありません。パターンカットしてあるわけですし。)
というわけで、めでたくガソリンワゴン用デジパネは、ディーゼル版に移植されたのでありました。じゃあ何だってーと、大して意味はありません(^^;。 出来るかどうか面白そうだから、やってみた、と、それだけのハナシです。
ちなみに、ココからの応用編というか、そもそもなんでデジパネを入れようと思ったか、という所なんですが、それは「車速信号の取り出し」なんですね。
ご存知の通り、昨今のカーナビは車速信号が入力されるのが前提の構成(というか校正というか…)をしているようです。対して、非電子制御なディーゼルで、マニュアルなブロは、一切の車速信号を持っておりません。タイヤを磁化する装置がソニーから出てるとか、スピードメーターワイヤーにセンサーを挿入するキットが永井から出てるとかあるようですが、タイヤ磁化は精度に疑問、センサー挿入は大仰過ぎる、という気もします。なにより、それらの費用がハンパな額じゃない。
デジパネをバラしてみるとわかりますが、このデジパネはそもそもメーターワイヤーによる入力を受け付けています。それを内部で電子化しています。具体的には、穴あき円盤とフォトカプラでパルスを発生させ、それを数えているようです。一昔前、PC-9801時代のバスマウスの検出方法、といえば判るでしょうか。(わかんねーよ!)
と、いうことは、永井の(?)センサーと同レベルのモノが、デジパネに内蔵されています。そこから信号をカッパらって来て、それこそ分周でもして常識的な信号数に変換してやれば、ナビの車速信号として使えるんじゃなかろうか…? という見込みがあるのです。そのうち、コレも試してみたいですな。
さて、ご要望にお答えして(?)…というと大仰ですが、「デジパネ移植編」をお届けいたしました。楽しんでいただけたでしょうか。
実は管理人は、「他人の要望を受けて文書を書く」なんてのをロクにやったことがありません。自分に文書能力があるとも思っておりません。まして上の方に書いてあるとおり、当初は「移植の方法解説編」として公開するつもりは一切無く、「まあ、やりたい人は参考にしてみてくれ編」のつもりで書いておりました。正直、「わかんねーよこれじゃ」という方が多いのだろうなと思います。
そもそも基本的な電子回路の知識がない人にも解るように書くつもりはありませんが(つーか無理それ)、それにしてもこりゃ相当に不親切だな、とも思ってはいます。本来、ポンと「移植成功しました! いひひ…真似れ真似れ」と公開するような中身じゃないな、とも思っております。(これでも、だいぶ加筆したんですよ! 当初は回路図なんか付けてなかったんですから…。 ←威張ってどうする)
書いてるウチにその辺に気付いたコトもあって、最初にも書いたとおり、当初管理人はこのページを9割完成なれど未完のまま2年ばかり公開せず放置しておりました。
古くから来訪いただいている方はご存知だと思いますが、そもそも管理人はこのサイト自体を「ブロの魅力を広める!」なんて意識では作っておりませんでした。来訪いただいている皆様には大変申し訳ないのですが、「4ナンバーっていう内容でサイト作ったって、たぶん誰も来ないよなぁ、あっはっは。いーですよ、どうせ。…試してみっか?」という、半自虐的な(!?)実験的要素があったわけです。
が、サイト開設してみると、意外なほどに来訪していただく方が多く。マジメに日々を送っている方も多く。
そんなこんなで始めた当サイトも気付けば10年近くが経過し、管理人も30代になり(驚)、多くの方に来訪いただき、中身もマジメ(というかマトモ)にならざるを得なくなってきました。その辺と、「いーよどうせ」とのマッチングがズレて来ていることも気付きつつありました。その点、不親切なこのページを完成・公開することを躊躇っていた理由でもあります。
時代の流れも速いですね。上に書きましたが、当初はこのデジパネから車速信号をぶっこ抜こうというプランもありました。が、2年間で時代は変わり、もはや車速の必要ないPNDが主流になっちまいましたな。管理人も1台たまたま手に入れました。すんげぇ便利で、すんげぇ精度です。もはや、非ECUなディーゼルをどうこうする時代じゃないのかも知れません。実際、BBSでお尋ねをいただく案件も、ほとんどがWL以降のお話です。「ごめんなさい、新しすぎて実はよく解りませんが、」が管理人の常套句になりつつあります。(誰か、そろそろ新しいサイト立ち上げてよ!) そうだよなぁ、管理人のR2はH6式だから、もう15年も前の車です。そこら辺を歩いてる中学生が、生まれたばっかりの頃のクルマですもの。あーあ、時の経つのは早い早い。まして歳を取ると。だいたい、管理人のアタマはキャブと非ECUディーゼル、良くてKジェトロで止まってますわ。何、昨今じゃ原チャリまでEFIな4ストだと…?
もはや、クルマに手を加えてどうこうとかいう時代じゃないのかも知れません。素直にツルシで使うのがベスト。せいぜいアッセンブリをポンと載せて終わり。エコカー減税と補助金で買ってきたATミニバンに、PNDを吸盤でひっつけて終わり。いちいち電源入れたり切ったり、ちょっと面倒だけど、それは飼い慣らされてしまえば気にならないのかも知れない。むしろ、便利なように電源もACC連動にして、常時Bも曳いて、スモール連動で画面を減光させて、気合い入れて配線をヒドゥンして、そのためにはクルマに穴も開けて…というのはクールじゃないのかも知れない。
「カーステ? 新車を買ったらCDも当然付いてたよ。あ、俺のiPodも繋がるの。ちゃんと鳴ってるよ? 音が悪いって? いやぁ、携帯電話で着フル聴くのと変わらないと思うよ? つーか、ちゃんと鳴ってるでしょCDもiPodも。でも携帯は繋げないんだよねぇ。なんか、FMトランスミッターとか言うのを使えばいいって聞いたけど、そこまでしなくてもねぇ」
「このクルマ、走行中にDVDとかテレビ見れないんだよね。でも、オートバックスに行ったら1万円くらいの部品付けてくれて、それで見れるようになったよ。ほら、ココにスイッチ。」
「オーダーのスーツはそりゃ着やすいかもしれない。だけれども1万円のスーツでも問題ないじゃん。ちょっと体に合わなくてイラっとするけど。そのうちイラつかなくなるよ。何より、「本気になってます」ってのはカッコわるいでしょ?」
ふーん、そうなんですか。携帯の音楽が聴きたいのに繋げなくても、ナントカしようとは思いませんか。せっかく高級内装なクルマを買ったのに、取って付けたような「走行中見れるモード」の黒いスイッチが生えてても気にならないですか。
あなたの「自分のポリシー」って何ですか?
一方で、最初の方に書いた、「じゃあ、アタシは(本来は無理であろう)デジパネ移植でもやってみるか」と管理人に発起させた、「ものすごく頑張っている人」は、この2年の間に着実に本気で努力を重ね、自分の目標に近づいて行ってます。 別に対抗意識を燃やすワケではない(だいたいそこまで若くもないw)のですが、やっぱ「自分しかできない(わけではない。正しくは、"そんなアホなこと、やろうとしない"?)…かも」というのは、純粋に「どうよ!」っていう努力(自己満足ともいう)の成果だったりします。
別に、それに自分として真面目に取り組んでるつもりなら、アホやってもいいじゃん、と。マジメにフザけてみっか、と。おふざけはオフザケ、阿呆がアホやってますが、それでもコッチは真剣にソレやってるつもりです、と。
非ECUでエンジン回して何が悪い。だいたいおたくら、大排気量エンジンで近場しか乗らないもんだから、常にECUは冷間増量モードでもって燃料垂れ流しじゃないか、どこがエコだ。原チャリでEFIって、もしバッテリー上がったらキックでさえエンジン掛からんとちゃうか? そんな不便なモノ使ってられるかい! EFIターボだ? リッター150馬力だ? ほほう、お前らのそのEFIターボとやらで、アタシのキャブNAと同じ音が出せるかい? (←あーあ、開き直っちゃったよ)
ならば、多少読みにくかろうが、解りにくかろうが、それでお叱りを受けようが、こんなページがあっても、公開しても良いのかなと。まして、「知りたい」というお声まで頂いて。
そういう経緯があったゆえ、当サイトのページの中でもそうとう「不親切」なページです。その辺、汲んでいただければなぁ、と。
では。
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